ボーイングは5月3日、X-51Aウェーブライダー無人極超音速飛行機が、スクラムジェットの推進によってマッハ5.1のスピードで3分30秒間飛行し、合計で6分以上を飛行するという、スクラムジェットエンジンによる極超音速飛行の歴史における最長の記録を樹立したことを発表した。
「この実践的な極超音速スクラムジェットエンジンのデモンストレーションは、何年もの努力による歴史的な偉業である。このテストは先進的な防衛システムや、経費効率の良い宇宙へのアクセスといった実践的なアプリケーションへのドアを開くところまで成熟した技術を提供する」とボーイングのファントムワークスの社長、ダリル・デイビス氏は語った。
エドワーズ空軍基地から発進したアメリカ空軍のB-52Hストラトフォートレスは、太平洋標準時の午前10時55分にポイント・ムグ海軍空戦センター海上試射場の5万フィート上空でX-51Aを解き放ち、その後固体燃料ロケットブースターが飛行機を約マッハ4.8まで加速させ、そこからさらに飛行機は全てのJP-7ジェット燃料を燃焼させる、超音速燃焼スクラムジェットエンジンの推進力によってマッハ5.1の速度に達した。
X-51Aはミッションの完了と共に、太平洋への制御された落下を行った。このテストはその全ての目的を達成した。
このフライトは米国空軍防衛研究所の為に完了された、X-51Aの4度目のテストフライトで、同プログラムによって2010年に樹立された以前の記録を塗り替えるものとなった。