FIMトライアル世界選手権シリーズ開幕戦、4月28日にツインリンクもてぎで行われた決勝2日目は、藤波貴久(モンテッサ・ホンダ)が地元日本で3年ぶりの優勝を飾った。
2日連続優勝を目指すトニー・ボウ(モンテッサ・ホンダ)は、1ラップ目の6セクションまでをすべてクリーンとし、快調な滑り出しをみせた。ところが、水に濡れた第7セクションで、ボウのマシンのエンジンがストップ。5点の減点となった。
これでボウのリードはなくなり、トップはジェロニ・ファハルド(ベータ)となった。ファハルドは第1セクションで減点1点を取って以降、すべてのセクションでクリーンを続けた。
続く第8セクションは前日とは異なり、2段のコンクリートブロックを一気に登る設定に変更。ここを藤波、ファハルドらはクリーン。ところが、ここでボウは5点となってしまい、第7セクションに続いて2連続の5点。これでボウは、大きく順位を落とした。
1ラップ目終了時点で、トップは減点1点のファハルド、2位に4点の藤浪、3位が8点のアダム・ラガ(ガスガス)。1日目優勝のボウは18点で7番手タイ。
2ラップ目、ボウが懸命の追い上げをみせた。4番手に浮上。しかし、トップは依然としてファハルド。ファハルド4点、藤波10点。2人は6点差で、優勝争いは最終ラップに突入した。
最終ラップで最初にミスをしたのはファハルド。第4セクションの出口で失敗し、5点減点。しかし第5セクションでは藤波が5点の減点。一進一退のまま、終盤戦に突入した。
終盤、第11セクションでファハルドが失敗し、減点5点。この時点で、両者の点差はわずか1点。藤波が15点、ファハルドが14点。最終セクション、先にファハルドがトライ。ファハルドはセクション序盤から中盤にかけて、美しくクリーンで走り抜けた。そして最後の上り斜面。ここでファハルドは後輪を滑らせてしまい痛恨の5点減点。これでファハルドは19点。対して藤波は最終セクションを残して15点。4点差あり、藤波はここを3点で抜ければ優勝ということになった。
藤波は最終セクションを、1点でクリア。見事優勝を飾った。藤波の優勝は2010年のイギリス大会以来、3年ぶり。日本GPでの優勝は、2005年以来、8年ぶりだった。
■トライアル世界選手権 第1戦 決勝第2日
1位:藤波貴久 モンテッサ(ホンダ)
2位:ジェロニ・ファハルド ベータ
3位:トニー・ボウ モンテッサ(ホンダ)
4位:アダム・ラガ ガスガス
5位:ジェイムス・ダビル ベータ
6位:アルベルト・カベスタニー シェルコ
■ポイントスタンディング
1位:トニー・ボウ モンテッサ(ホンダ) 35P
2位:藤波貴久 モンテッサ(ホンダ) 33P3位:アダム・ラガ ガスガス 30P
4位:ジェロニ・ファハルド ベータ 28P
5位:アルベルト・カベスタニー シェルコ 25P
6位:ジェイムス・ダビル ベータ 21P