右ハンドル仕様でもドライビング・ポジションはごく自然。国際規格(ISO)に準拠しないステアリング・コラム右側配置のウインカーレバーも、日本車から乗り換える人には好都合だ。
エンジンはオーソドックスな2リッターの直噴方式だが、6速DCTとの組み合わせにより得られる動力性能は、微低速シーンでの滑らかさや絶対的な加速力なども含め不満ナシ。ただし、まずはセレクターで『S』レンジをチョイスし、ノブ脇のシーソースイッチを操作するというシーケンシャル・モードのロジックは扱いづらい。
フットワークは非凡で、路面を問わず接地性に優れると共に、舵の正確性も印象的。ただし、日本仕様の”スポーツサスペンション”が、快適性面でやや悪影響を及ぼしている印象は否定出来ない。
かくも”素性”の良さは理解出来るモデルだが、メルセデスベンツ『Aクラス』やボルボ『V40』のスターティングプライスを上回る価格には、再考の余地がありそうだ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★
河村康彦
1960年生まれ。自動車専門誌編集部員を経て、1985年よりフリーランス活動を開始。現所有車はポルシェ・ケイマンS、スマート・フォーツー、VWルポGTI(ドイツ置き去り…)