フォード・ジャパン・リミテッドは4月13日よりフォード『フォーカス』を発売すると発表した。価格は293万円。
フォードが現在進めている事業戦略、“ONE FORD”は、「2008年頃の経営危機の時に、フォードモーターとしてきちんと再生していくという意味を含めて立てられた事業戦略です」と同車試乗会で話すのは、フォード・ジャパン・リミテッドマーケティング部ディレクターの木下洋氏。
この戦略は、事業の再構築や財務体質の強化などの他、商品開発に投資し、加速させることにポイントがある。これまでフォードは各地域それぞれで商品開発を行っていた。しかし、「そういったリソースを集約し、有効に使って事業を進めようという、現在のCEOアラン・ムラーリーの考え方から、この“ONE FORD”の言葉につながったのです」
この商品開発は、世界的に重要なセグメントへ、グローバルプロダクトを開発し、世界中で販売することを目的とするため、全車種ではない。
そのグローバルプロダクトを開発していくうえで、4つの大きな柱があると木下氏はいう。「クオリティ、グリーン、セーフティ、スマートの4つです。これらはクルマを語るうえで、どれも外せない、ある意味では当たり前の項目です」。地域によってニーズの違いなどはあるものの、「この4つの柱をきちんと押さえることが、世界に通用するクルマを作ることにつながると考えています」と述べる。
今回日本に導入される新型フォーカスは、このONE FORD戦略下のグローバルプロダクトとして開発された第1号車であり、約120ヶ国で販売が予定される。地域のレギュレーション等で若干の変更はあるものの、おおよそ80%は共通(エクステリアデザイン等含む)であるという。
その生産は、5拠点(アメリカ、ドイツ、ロシア、中国、タイ)で行われ、日本仕様は昨年5月に完成したフォード・タイランド・マニュファクチャリング(FTM)が担当する。ここはフォードの最新設備を備え、「先進国でも通用する非常に高い品質のクルマを生産する能力を備えた工場として、およそ400億円の投資をして建設しました」と話す。
新型フォーカスは昨年1~9月期で、単一車種として世界中で最も販売されたクルマだと木下さん。1~12月の通年データはまだだとしながらも、「おそらく12月時点の予測で100万台を少し超えるくらいの販売となり、おそらく世界No1の地位は守られるでしょう。これはまさにグローバルプロダクトとして、世界中のユーザーに認められた証しだと思っています」と語った。