パイオニア・カロッツェリアといえば、いうまでもなくカーナビゲーションの草分け的存在であり、『サイバーナビ』や『楽ナビ』といった市販製品でトップシェアを持つブランドだ。
あまり知られていないが、同社は市販ナビゲーションをベースにto B向けにカスタマイズした運行・動態管理システムを提供しており、この分野ではすでに20年以上の実績をもつ。
ATTTでは市販の楽ナビをベースに拡張通信に対応した業務用メモリーナビゲーション『AVIC-MRZ07 II-B2V』と、モバイルクリエイトのASP動態管理システム「モバロケ」とナビゲーションを連携させたリアルタイム動態管理システムをを展示した。
AVIC-MRZ07 II-B2Vには、背面に通信用シリアルポート(RS232C)が搭載されており、これにSDカードリーダーや通信機器(ハンディターミナルや業務用無線機など)などを接続して訪問ルートや走行ログ、メッセージのやりとりが可能。同社の「セールスログプラス」を組み合わせれば、SDカードを抜き差しするだけで日報作成や訪問先の一括送信なども可能だ。
最近はスマートフォンとPCを組み合わせた動態管理ASPが数社から出ているが、パイオニア販売の開発営業課 吉田秀和氏によれば「SDカードを抜き差しするという一見アナログな方法も根強い需要はある」という。「操作の難しさ通信の不具合などを考えずに済み、始業時に挿し、会社に戻ればSDを抜いてPCに挿して日報を入力するだけというワークフローのシンプルさはやはり重要」とのこと。
また、モバロケ連携は、オンダッシュ楽ナビ(『AVIC-MRP007-B4V』)にモバイルクリエイト製のボイスパケットトランシーバー『MPT-100』を接続したもの。通信はドコモの3G(FOMA)網を利用し、リアルタイムの動態管理とプッシュトークIP通話を可能にしている。トランシーバーはクライアント(車両)側と管理(事務所)側双方で同一のものを使用し、トランシーバー本体と通話部を一体化したバッテリー内蔵ハンディタイプの『MPT-200』との相互利用も可能だ。
「APSということで小さい初期投資でリアルタイムの動態管理や目的地・メッセージ送信が実現でき、FOMA網を利用しているので利用可能エリアが広い。また、そして高性能なパイオニア製ナビゲーションを活用したルート案内だけでなく、ナビ画面での動態入力ボタンを用意できるとといったカスタマイズにも対応できるところが当社の強み」と吉田氏は説明する。