【スーパーフォーミュラ プレ開幕戦】まさかの赤旗再レース、佐藤琢磨が初優勝

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スーパーフォーミュラ第0戦で“初優勝”した佐藤琢磨。
  • スーパーフォーミュラ第0戦で“初優勝”した佐藤琢磨。
  • スーパーフォーミュラ第0戦鈴鹿、ポール発進を割り当てられた佐藤琢磨のマシン。
  • 鈴鹿ファン感謝デーに参加した(右から)佐藤琢磨、中嶋悟、星野一義。写真:MOBILITY LAND
  • 鈴鹿ファン感謝デーでのレジェンドF1マシン・デモ走行。写真:MOBILITY LAND
  • 今年もスーパーフォーミュラにスポット参戦する佐藤琢磨(チーム無限)。
  • スーパーフォーミュラ第0戦のグリッドには多くのファンが集まった。
  • 昨年のチャンピオン中嶋一貴(トムス)は今季、カーナンバー1をつけて走る。
  • 今季はHPリアル・レーシングに移籍してスーパーフォーミュラを戦う塚越広大。

今シーズンから「全日本選手権スーパーフォーミュラ」へと名を改めた国内最高峰レースシリーズのプレ開幕戦“ラウンド0”が、3月3日、ファン感謝デー開催中の鈴鹿サーキットで実施され、まさかの赤旗中断となった波乱の展開を経て、佐藤琢磨が勝利を収めた。

19台が顔を揃えたRd.0鈴鹿。10周のエキシビションレースであり、スターティンググリッドも前方に新人や復帰組、後方に優勝経験者や歴代チャンピオンを配置するという、言ってみれば“花相撲”だったのだが、そこでまさかのアクシデントが発生した。5番グリッドからスタートした新人リチャード・ブラッドレー(KCMG・トヨタ)が1周目の130R~シケイン間でスピンを喫し、これに後続が巻き込まれてしまったのである。5台がコース上にストップするなどした結果、レースは赤旗中断に。

ファン感謝デーでのイベントということもあり、再レースは行なわないものかと思われたが、3周に短縮しての実施が決定。場内には「レースではなくデモ走行に変更」とのアナウンスも流れたが、一部選手によると「無理のないように」という指示での再走だったらしく、参加した13台のマシンがほぼ真剣と思えるペースで再レースを戦った。そして、割り当てられたポールポジションからではあるが、2回のスタートでいずれもトップキープを決めた佐藤琢磨(チーム無限・ホンダ)が“初優勝”を収めたのである。

「(スタートは)そこそこ、うまくいきましたね。2回目はちょっとホイールスピンが多かった。1回目の方がスタートそのものは良かったです」と振り返った琢磨は、近年はローリングスタート(走りながらスタートする方式)のインディカーを主戦場としている。昨年に続いて今年もスーパーフォーミュラにスポット参戦するわけだが、「スタンディングスタート(静止状態からのスタート方式)はやっぱり難しいですよ。それだけに(アクシデントの発生は残念ですが)2回練習できたことは良かったかもしれない」と語った。

スタート、そしてペースも含めて手応えにはまずまず以上のものがありそうな様子の琢磨は「ラッキーなポジション(先頭)からのスタートではありましたが、(自分に関しては)クリーンなレースができました。本番でもこういうレースをできるようにしたいですね」とも話している。F1~インディと世界の最高峰を歩き続ける彼にとって、“優勝”は2001年のマカオF3以来。「そうですね。今年はまず自分の主戦場であるインディカーで、マカオ以来の(正真正銘の)優勝をできるように頑張っていきたいです」と、昨年何度もあと一歩まで迫った米国最高峰での初優勝の達成に意欲を燃やす。スーパーフォーミュラに関しては、昨年はシーズン終盤のスポット参戦だったが、今年は同じくスポット参戦ながら鈴鹿での開幕戦にも出場予定。同じ舞台での“好スタート”を契機に翌4日からの合同テストでいい準備ができれば、こちらでも成果を期待できそうだ。日本の多くの琢磨ファンも、それを楽しみにしているだろう。

この週末、鈴鹿ファン感謝デーには土日とも多くの観客が来場し、歴代F1マシンや現役レースカーのパフォーマンス、さらにはレジェンドドライバー/ライダーや現役トップ選手との交流等を満喫した。レース本番では味わえない趣向のプログラムもたくさんあり、本格的なモータースポーツシーズン開幕を前に期待感高まる“前夜祭”となったようである(まさかの赤旗中断、そして再レースでも接触事故があったことには驚いただろうが)。

鈴鹿サーキットでの今年最初のビッグレースイベントは、4月13~14日に開催される「鈴鹿2&4レース」となる(スーパーフォーミュラと2輪のJSB1000を併催)。

《遠藤俊幸》

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