日本自動車工業会の豊田章男会長は2月15日の記者会見で、為替の円安傾向について「ここ数年続いた超・超円高が今、是正されている段階。企業業績への反映も、まだ第4四半期だけであり、安心感はない」と述べた。
自動車など日本の製造業が直面している「6重苦」については、「一番大変だった円高が是正されつつあるものの、現在も基本構造は変わっていない」との見方を示した。円高の修正によって、海外に移転した生産部門の国内復帰の可能性については「自動車産業は現場でのスリ合わせなどが重要であり、ひとたび(海外に)出たものが戻るには時間がかかる」と指摘した。
また、現状の為替変動に対し、海外から通貨安誘導との批判的な見方があることに対しては「ドルやユーロといった通貨への相対的な価値が見直されている。市場原理に沿った動きと考えている」との見解を示した。