【ランドローバー レンジローバー 試乗】ブレない世界観、資質を高めた走り…島崎七生人

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ランドローバー レンジローバー
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およそ12年振りのフルチェンジ。SUVでは世界初のオールアルミのモノコックボディは、ボディシェルだけで180kgの軽量化。新旧のボディサイズを比較すると、新型は35mm長く、30mm幅広く、15mm低い。

ところがブレていない。見るからに『レンジローバー』な外観も、室内も、走りも、頑なまで世界観が保たれている。運転席から見渡せ車両感覚の把握に役立つ“クラムシェルフード”左右の盛り上がりは初代以来の特徴。“平面絞り”でかなり丸められたボディ、傾斜を強めたフロントスクリーンなど、外観は現代的な手法でまとめられている。

インテリアはこれまで同様、水平&垂直線を貴重に構成。運転席まわりは相変わらず上質な仕立てだが、センターコンソールまわりなど、先代よりスイッチの数がかなり整理された。パワーウインドスイッチは変わらずドアトリム上面に。フラットな床面の後席も寛げるスペースで、2人掛けが選べるというのも、らしい。上下2分割で開くバックドアは、下側のドアサイズが小さくなり、扱いやすさが増した。

乗り味は相変わらずのなめらかさだが、静粛性、フラット感がさらに増した。車両の安定に効果を発揮する「ダイナミックレスポンス」だが、もちろん非装着のNAモデルでも、もう昔のような船のような動きはなく、安定したもの。エンジンは5リットルのV8ユニットでNA(375ps/52.0kg-m)とスーパーチャージド(510ps/63.8kg-m)が用意されるが、NAでもパフォーマンスのまったく不満を感じない。スーパーチャージドはもちろん天井知らずといったパワフルさ。だが、自分の足で歩き出すようにアクセルを踏み込めばジンワリと動き出せるのは、あらゆる走行条件を想定した、レンジローバーの伝統的なマナーのひとつだ。

セダンが比較対象になるケースが多いというのも当然のことだろう。渡河水深限界が700mmから900mmに“深化”されるなど、本物のSUVとしてのポテンシャルにも手抜きはない。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年より『GOLD CARトップ・ニューカー速報』の取材/執筆を皮切りにフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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