【三菱 デリカD:3 試乗】実用性を徹底したライトバン感覚のモデル…松下宏

試乗記 国産車
三菱・デリカD:3
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『デリカD:3』は三菱が日産からOEM供給を受けているクルマで、ベース車は『NV200バネット』だ。

ベース車である日産のNV200は、ライトバンとして実に機能的に作られたクルマであると同時に、ニューヨークやロンドンでタクシー車両への採用が決まるなど、ミニバンとしての基本ポテンシャルを備えている。

D:3には7人乗りのGと5人乗りのMの設定があり、Gに試乗した。Mは装備の中身はほとんど同じで乗車定員だけが異なるモデルと考えたら良い。遊び道具をいっぱいに積んで出かけたい人や、商売道具を積んで移動したい人はMを選べば良い。

搭載エンジンは直列4気筒1.6リッターの自然吸気DOHC。80kW/152N・mという動力性能はこの排気量のエンジンとして平均的というか、ごく平凡な実力である。

車両重量が1360kgに達するミニバンのボディに、この排気量でどうかと心配しながら試乗したが、少なくとも一人で平らな市街地を走った範囲では動力性能に不満を感じるシーンはなかった。

ただ、特に余裕があるわけではないので、高速道路で急こう配の上り坂を走るなどといったシーンでは、走りに不満が出るであろうことは容易に想像される。

ATも今どきの乗用車用とは思えない4速ATで、このあたりはライトバン仕様のクルマがそのままミニバンに変わったという印象だ。

足回りは意外にしっかりした印象があった。これはたくさんの荷物や乗員が乗ることを想定しているためだろう。

外観デザインも普通のライトバン感覚のもので、インテリアも乗用車として考えたら、ちょっと安っぽいなと感じさせられる。家族で移動するミニバンというより、商売道具、遊び道具的な使い方をするユーザー向けのクルマと考えたら良い。

198万4000円の価格は、このクラスのミニバンとしてはちょっと安めではあるものの、装備が貧弱であることなどを考えると際立って安いわけではない。ファミリーユーザーなどには勧められないが、実用性重視で割り切るユーザーなら納得できると思う。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

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