オークランドのO.co コロシアムで行われた第4戦は、北カリフォルニアの寒い夜にも関わらず、幾つかの予想外の展開を含む激しいレースで観客を魅了した。
それほどの驚きでなかったのは、450RXクラスで、ディフェンデイング・チャンプのライアン・ビロポトが2連勝を飾ったことである。ビロポトは予選から快調に飛ばしてレースを支配し、特にスタートダッシュはプラクティスの成果が実ったのか、予選・決勝を通してトップで第1ターンを通過する好調さだった。シーズンの累積ポイントでもトップのデビ・ミルサップスに8ポイント差まで迫る躍進を見せ、チャンプがその定位置を確保する日も遠くないのかも知れない。
第5戦に向けて現在ポイント・レースで首位に立つデビ・ミルサップスは、開幕時にこそまぐれの勝利などと評されたが、これまでのレースで常にトップから4・5位以内に入る安定力を見せ、もはや彼の競争力は疑いの余地は無い。
累積ポイントでミルサップスの後に続くのが、やはり抜群の安定力を持つトレイ・カナードで、第4戦では第2ターンの大アクシデントに巻き込まれてライアン・ダンジーと絡まり、4位でのフィニッシュに終わったが、それでも累積ポイントでは2位の好位置を確保している。
450SXクラスでの最大のドラマは第2ターンで起こり、複数のライダーを巻き込んだクラッシュで被害を被ったのがジャスティン・バルシアとジェームス・スチュアートである。バルシアは地面に激しく叩きつけられて最悪の事態も予想されたが、ショックによる一時的な問題だけで、次のレースには100%の状態で復帰する予定である。一方のスチュアートは開幕から抱えて来た膝の故障を悪化させたかに見えたが、悪いニュースが伝えられていないところを見ると、次のレースには支障がない模様である。
250SXクラス西地区のレースでは、3連勝中のイライ・トマックが再びレースを支配すると思われたが、トマックは最初のウープスで転倒し、即座に起き上がることができなかったので周囲を心配させたが、結局は自力でトラックから離脱したものの、レースはリタイアに終わった。
トマックのリタイアでレースのトップに立ったのがコール・シーリーで、2位にはケン・ロクゼンが入賞した。これによって累積ポイントでロクゼンが1位となり、2位がシーリーという順になった。第5戦ではトマックの巻き返しが期待されるところである。
AMAスーパークロス第5戦は2月2日に、アナハイムのエンジェル・スタジアムで開催が予定されている。