トヨタ『クラウン』がフルモデルチェンジし14代目となった。そのフロント周りは最後までデザインが決定しなかったという。
同社デザイン本部トヨタデザイン部第1デザイン室長の池田亮さんによると、「ボディ全体の形も最後の最後まで決まりませんでした。さらに、フロントも最後の最後までこの形に決まらなかったのです」と述べる。
しかし、「もともとすごくやりたかったことはあまり変わっていません」といい、具体的には、「グリルから始まるフードの立体と、そのセンターの(グリルの)立体をしっかりと創った後で、前後に流れるフェンダーの立体を絡めていくという思想はもともと持っていたのです」。そして、「新しさや、クラウンとしての車格感、威厳と同居させることがすごく苦労しました」と話す。
「最終的にはクラウンの王冠マークをモチーフにしたようなグリルが出来て、よりクラウンとしての特徴になったかなと思っています」
ロイヤルのグリルは、「センター部分の大きなグリルを一番強調したいのです」としながら、「もともとの(ラジエーター)グリルとアンダーグリルという2つの構成で、そこはキープしながら、それらを融合させています」。その結果、「センターはしっかりと立体を持ち、アンダーグリルはしっかりと見せる。ロイヤルはそういうところで、水平基調の安定感を狙っているのです」という。
池田さんは、「初めて見ると違和感が先行すると思います。ただそれは、嫌な違和感ではなく、見たことのない違和感というものだと思うのです。何回か見てもらえれば絶対に、嫌な違和感ではないので、それが良い意味の特徴に変わっていくモデルだと信じています」と語った。