ダラット原子力研究所で防災訓練 ベトナム

12月16日付のベトナム紙トゥオイチェ電子版などによると、同国のベトナム原子力エネルギー研究所は16日、ラムドン省防災警察と共同で、防災訓練を実施した。

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12月16日付のベトナム紙トゥオイチェ電子版などによると、同国のベトナム原子力エネルギー研究所は16日、ラムドン省防災警察と共同で、防災訓練を実施した。

これは、ダラット原子力研究所が、「放射能漏れを引き起こす危険のある事故が発生した」と想定して行った初めての訓練で、同研究所の職員や技術者100人超が参加したという。訓練では、「500キロワットの最大出力で稼働していた原子炉の建屋内で突然、電源装置の損害を起因とする爆発により建物が炎上。内部に大量の煙が発生し、建屋全体を包むと、炎が建屋の外にまで広がった。建屋内にいた作業員は迅速に対応に当たったが、強い炎と火の回りが速かったために、施設が危険な状況に陥った」というシナリオをもとに実施された。

事故が発生すると、同研究所の所長がただちに原子炉の停止を指示し、放射能漏れがないかをチェック。非常事態宣言を発令し、研究所の防災部隊を動員するとともに、ラムドン省公安・防災警察に通報した。火が消し止められると、放射能安全係が現場の放射能汚染状況を点検し、その結果、外部への放射能漏れがなかったことを確認した。ダラット原子力研究所とラムドン省公安・防災警察は訓練後、同研究所のグエン・ニ・ディエン所長を議長に反省会を開き、問題点を協議。国家および国民の安全確保が第一という原則を確認したという。

ダラットの研究用原子炉は、原子力および中性子物理学研究のための施設で、1960年に米国の支援によって建設された。ベトナム戦争時は一時閉鎖されたが、旧ソ連と国際原子力機関の援助によって1982年に修復され、84年に再稼働した。現在、ベトナムで唯一の原子炉となっている。

朝妻 小津枝

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