パナソニック 旅ナビの「海外ガイドブック」をパリで使ってみた

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パリ・シャンゼリゼ通りで「旅ナビ」初体験
  • パリ・シャンゼリゼ通りで「旅ナビ」初体験
  • バスの中でもほぼ正確に現在地を測位できていた
  • 目的地を設定すると、直線距離で方角と距離が示された
  • アイコンをONにして、カーソルを合わせると各施設の情報が表示される
  • ストリート名や河川の名前も表示するので、現在地がつかみやすい
  • ナビ機能の定番「周辺検索」機能。見る、食べる、遊ぶなどを収録するが、交通に関する情報がやや弱い
  • 目的地を選んで「ここへ行く」を選ぶと“G”マークが地図上に表示。もう一度「ここへ行く」を押すと直線距離が引かれる
  • ガイドブック機能でエリアを絞り込んで表示。カテゴリー分けをすることはなかった

3世代目となるパナソニック『旅ナビ』が国内から海外へと対象範囲を拡げた。この秋に登場した「CN-SG520L/SG520D」は、初めて海外ガイドブックデータに対応。パリモーターショー2012へ出掛けるにあたって、さっそく本機を持参してその便利さをチェックしてみた。

本機が対応した海外ガイドブックデータは、標準で内蔵するソウル、パリ以外に、オプションで購入する台北、ホーチミン、ロンドン、ローマ、バルセロナ、ヴェネツィア、ホノルル、ニューヨークを含めた全10都市。購入はパナソニックの直販サイト「パナセンス」から1都市1344円でダウンロードできるほか、インターネット環境のない場合も専用電話窓口(TEL:03-5767-9045)からもご購入できる。

ガイドブックを使っていて困るのは、自分のいる位置が特定できなくなった時。本機は海外であってもGPSによってそれを測位して地図上に表示するほか、目的地を設定すれば現在地からの方角や直線距離を表示する。つまり、海外に出掛けても自分の位置を見失うことなく、目的地へと誘導してもらえるのだ。ただ、繰り返しになるが、ガイドはあくまで目的地までの直線距離を示すだけにとどまるということ。日本国内で使った時のようなルートガイドを行うことはないので注意したい。

この機能を利用するに際して費用は一切発生しない。地図データはあらかじめパリ市内を中心に8スケールを収録し、ベルサイユ宮殿のような一部の郊外スポット周辺も収録済み。そもそも通信機能を備えず、あくまでローカルで収録したガイドブックデータを使ってガイドする仕組みだ。スマホを使って地図を使えば、当然ローミングによるパケット通信料は発生し、「海外パケホーダイ」を使えば日本時間を気にしながらの利用となる。本機はそういった心配は一切不要のまま利用できるというわけだ。

地図データのカバーエリアはパリ市内であればほぼ網羅されているようで、今回宿泊したホテルはモンパルナスの外れだったが、そんな場所でも詳細な地図を表示した。そのため、地下鉄の駅からホテルまでの約7~8分の距離も、モーターショー会場までの15分ほどの距離も迷うことなくたどり着くことができたのはありがたかった。ただ、宿泊したホテルはガイドブックにも掲載されないマイナーなホテルだけに住所で探すしかなかったが、本機は残念ながらこれに非対応。そこでPC上で位置を確認しながら「このあたりかな?」と思いながら事前に登録したのだ。それでも確信を持ってホテルまで歩けたのはGPS機能を備えている本機のおかげだったことは間違いない。

さて、パリについてまず役に立つのがメインメニューに用意された「旅のキホン」である。ここには訪問先の都市の特徴や空港ガイド、空港からパリまでのアクセスガイドのほか、飲料水や電圧事情、サイズ比較表などが全19ページにわたって紹介されている。ここで役立ったのは空港からのアクセスガイド、鉄道やバス、タクシーをそれぞれ乗り場が記載してあり、空港ガイドを併用することで乗り場まで迷うことなく到着できた。

残念なのは、乗り物についての料金は記載されておらず、それどころか地下鉄路線図すら未収録となっていることだ。パリ市内では地下鉄路線が充実していて、個人で移動するならこれを利用する方が自由に動けて便利だ。国内版ではジョルダンの「乗換案内」が収録されていて、電車利用に便利なようになっているのとは大きな違いだ。今回対応したガイドデータ10都市はすべて大都市であり、鉄道の利用は十分に予想される。乗換案内機能の搭載は必須ではないだろうか。

バスで市内まで移動中、地図を起動してみる。すると地図上に現在地が表示された。マップマッチングなどの機能は備えていないため、道路上に貼り付いて表示するようなことはないが、GPSナビとしてほぼ正確にトレースしていた。道路の太さもある程度反映され、ストリート名や地下鉄駅なども表示できている。地図はタテ表示で行われ、北固定となっていることもあって位置関係はつかみやすかった。地図上には時刻表示もあるが、現地時間と日本時間の両方が表示され、サマータイムには時期応じて自動的に対応する。ただし、任意に切り替えることはできない。

パリ市内に入ってガイドブック機能を使ってみる。行きたい場所をメニューから探す方法は大きく二つ用意されていた。一つは「スポットを探す」で、目次から「エリアを選ぶ」「分類を選ぶ」「付箋ポイント」「名称で探す」の4カテゴリーから探す。「エリアを選ぶ」では全12エリアから選び、「分類を選ぶ」では定番、見る、遊ぶ、食べる、買う、泊まるの6種類から選択。絞り込んだ各スポットには、エリアやカテゴリーが表示され、写真とテキストで詳細情報が示される。地図とのリンクもあるので、地図上で場所を確認することも可能だ。地図が表示されたら「ここに行く」を選ぶと現在地からの直線距離と方角がガイドされるようになる。

「付箋ポイント」はあらかじめ3色で色分けして登録しておくことができる。これはガイドブックに掲載スポットをあらかじめ目印としておく、いわゆる“お気に入りスポット”。見逃したくないスポットとしてあらかじめ登録しておくと便利だろう。「名称で探す」は50音キーボードによる名称入力を使って対象スポットを探す一般的な機能。入力したキーワードが名称のどの部分でもそれを含んだリストが表示される、“曖昧検索”に対応していた。しかし、名称に「・」が入っていた場合は、それは正確に入力しないとダメだった。欧米の場合は名称の中に「・」が含まれることが多く、これはパリも例外ではない。曖昧検索に対応するなら、その辺りまでサポートして欲しかった。

目的地を設定してガイドをスタートさせると、目的地までの方角が実線で示され、距離も示されるので、その方角に向かって歩くだけ。途中で気に入ったスポットを見つけたら、「ここを登録」を押す。これでガイドブックにはない新たなスポットして登録ができる。ただ、このスポットを登録後で少し承知しておかなければいけないことがある。それは、その情報はあくまで緯度経度情報で登録されるため、その場で名称の編集をしておかないと後から見てもワケが分からなくなるということだ。しかも、この時の名称編集で使う変換機能があまりに能力が低く、“凱旋門”すら一発で出てこない。仕方ないので一文字ずつ“単漢字変換”することになるが、これではあまりに煩わしい。とりあえずはひらがなかカタカナで登録しておくのが無難だろう。

また、冒頭でも述べたように、目的地までは直線距離と方角を示すのみとなるため、エリア内に入ってから設定する方が使いやすい。あまり離れたエリアから電源を入れてガイド機能をONしてもバッテリーが無駄に早くなくなってしまうだけ。目的地が徒歩圏にまで近づいたところで初めてこの機能が役に立つと考えるべきだろう。それでも、目的地がしっかり特定され、自分の位置が正確にわかっているだけに、初めての場所ではとても心強い。安心して、自信を持って、どんどん歩けるのだ。この感覚は従来のガイドブックではあり得なかったことだ。

初めての海外ガイドブックデータを収録した新しい「旅ナビ」。パリ市内を歩いて実感したのは「本機があるのとないのでは大違い」ってことだ。国内旅行では気軽に道を聞けるが、海外となれば言葉の問題から簡単に道を聞けない状況も想定される。本機を持つことでGPSによって正しい位置が特定されるわけで、道を尋ねなくても大体の場所は迷わずに到着できる。これだけでも本機を持つ価値は十分あると思う。ぜひ新しい「旅ナビ」を持って海外へ出掛けてみるといい。今までとは違った、安心の海外旅行が実現するはずだ。

《会田肇》

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