パナソニックグループと取引のある下請企業3万1513社…シャープの2.6倍

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帝国データバンクは「パナソニック」グループの下請企業実態調査結果を発表した。

パナソニックは、今期の連結最終損益が7650億円の巨額赤字を計上する見通しで、全国各地の下請企業への影響拡大が懸念される。帝国データバンクは、企業概要データベースの中から、パナソニックグループと直接、間接的に取引がある下請企業を抽出し、社数・従業員数合計、都道府県別、業種別、直近業績について調査・分析した。パナソニックグループの取引先実態に関する調査は今回が初めて。

パナソニックグループの一次下請先(仕入先)は6032社で、一次下請先と取引を行う二次下請先は2万5481社を数えた。この結果、直接、間接に取引がある下請企業の合計は全国で3万1513社にのぼり、同業のシャープグループの1万1971社の約2.6倍に達することが判明した。

一次下請先、二次下請先の総従業員数は147万7311人。今後、パナソニックグループの業績動向次第では、主要な設備のある道府県を中心に、各地の雇用に影響を及ぼしかねない。

一次、二次下請先の合計を都道府県別に見ると「東京都」が7472社でトップ。2位は本社のある「大阪府」で6178社。一次下請先の数だけで見ると、大阪府がトップ。

主要な設備のある県を見ると、「兵庫県」が1066社で6位、「京都府」が988社で7位、「新潟県」が575社で、12位、「三重県」が423社で16位など。

業種別に見ると一次下請先で最も多いのは産業用電気機器卸が479社で構成比は7.9%。以下、ソフト受託開発、精密機械器具卸、工業用樹脂製品製造、金属プレス製品製造の順。二次下請先では、同じく産業用電気機器卸が1357社でトップ。以下、ソフト受託開発、鉄鋼・同加工品卸、化学製品等卸、金属プレス製品製造などが上位に並んだ。

2011年度、2010年度の直近2期の業績が判明した2万9078社を見ると、2011年度の売上高が前期を下回った「減収企業」が1万1029社で全体の37.9%を占めた。このうち、「2期連続減収企業」は4146社。

シャープグループの下請先の2011年度・減収企業数は4431社で、この約2.5倍にのぼっており、直近の売上推移からも、下請企業を取り巻く経営環境の厳しさが浮き彫りとなった。

産業用ロボット製造の北白川製作所(宮城県白石市)が12月3日に仙台地裁へ民事再生法の適用を申請したが、主要取引先がパナソニックだった。今年春からパナソニックが大幅なリストラ策を実施すると、同社関連の売上げが激減し法的申請に追い込まれた。

帝国データバンクでは北白川製作所のケースにあるように、今後は業績悪化に苦しむ電機各社が一段のリストラを進めていく中で、経営体力的にも、資金繰り的にも限界に達しつつある中小零細規模の下請先の倒産増加が懸念されると指摘する。

《レスポンス編集部》

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