三菱のSUV、『アウトランダー』がフルモデルチェンジし、試乗の機会が与えられた。試乗車は2.4リッターエンジンを搭載するフル装備バージョンで、ナビはもちろん、ロックフォードフォズゲートプレミアムサウンドシステムや各種の安全装置も満載されている。
三菱はかつては『ジープ』、そして現在も『パジェロ』を製造するSUVには強いメーカーだが、このアウトランダーはそうしたハード指向のモデルではなく、基本はオンロードでの使用をしつつ、万が一のときの安全マージンとして4WDを使うという考えのもとに作られている。
まず、高速道路での印象だが、レギュラー仕様で169馬力のエンジンとCVTとの相性はよく、よどみない加速感でクルマを100km/hの領域まで持っていく。巡航に入ってからの乗り心地はフラットで、背の高さを感じさせない安定感のあるもの、ノイズなども、高いレベル抑えられている。
車線の逸脱を警告するLDWはかなり敏感で、少しのズレでも頻繁に警告してくる。あまりに鈍感なのは困るが、敏感すぎるがためにオーナーがスイッチをオフにしてしまったら意味がない。そうした部分での調整をもう少し追い込んでほしい。
一般道の走行では細くなったAピラーやドアミラー形状の最適化などにより前方の直下視界が向上。狭い道に入り込んだ際も、従来よりも運転しやすい印象をうけた。
従来型は上下二分割のリヤゲートを採用していたが、新型はシンプルなシングルゲートになり、ラゲッジルームの奥にある荷物へのアクセスもよくなった。
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★
諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活躍中。趣味は料理。