トヨタ本社案にEDスクエア(欧州デザイン拠点)のアイデアを盛り込み仕上げられたという新型『オーリス』のエクステリアデザイン。全高を55mm下げ「スマートダイナミズム」をテーマに掲げたのは、走りに定評のある欧州Cセグメントの競合車を意識してのことだった。
さらに“隠し技”として、ホイールアーチのフランジ(折り返し部分)形状を、従来の「L型」から「J型」に変更した。「折り返し部を薄くしタイヤをより外側に出すことで、踏ん張り感を強調する」(トヨタ自動車デザイン本部 大石悦也氏)のが狙いだ。また、後輪ホイールアーチを縁取る面も、均一ではなく車両前方側が内側に向かって傾けられている。この微妙なチューニングが、クルマを斜め前方から眺めた際にタイヤの存在感をより際立たせ、タイヤをより踏ん張らせて見せている。
ボディ面ではショルダー部に走る2本のキャラクターラインが削ぎ落とした面を作り、ボディ側面に表情を与えている。この幅の細い面はテールランプへと繋がり、一体感を出している。このように、新型オーリスのエクステリアでは、“面作り”には従来以上のこだわりが。「一般に面質を表現するのが難しいとされる赤いボディ色でも、このクルマは十分に表情が出せた」(大石氏)と自信を見せる。
ほかにも、バンパー開口部も通常なら黒い樹脂の素地色にままで済ますが、実は塗装が施された。気付きにくいが、見た目の上質感に貢献している。