F1ドライバーに向けてポジションを防衛する場合のドライビング基準ガイドラインが提示された。
バーレーンGPでは、ルイス・ハミルトン(マクラーレン)とフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)を相手にニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)の強引なディフェンスが問題となったが、最終的にスチュワードはロズベルグが連続的に動いていたことと、ハミルトンもアロンソもいずれの場合も車体の有意な部分は並んでいなかったとして処分なしの決定を下している。
だが例年にない過激な競争が続く中、ドライバー側とFIAの間ではどこまでが許される行為なのかという点と、「有意な部分」の適切な定義を巡って話し合いが続いていた。
FIAのレースディレクター、チャーリー・ホワイティングから干渉が起きた場合の判断基準を示した文書がチームに配布され、適用が伝えられたのはイギリスGP本戦の数時間前のことだった。文書にはホワイティングの見解として次の内容が示されていた。
「ストレート上でブレーキングエリアより手前でポジションを防衛する場合には、車体の有意部分が重なっていない限り最初の動きはトラックの全幅を使用することが許される。この方法で防衛をするドライバーは、正当な理由がない限りトラック外に出てはならない」
「後方マシンのフロントウイングの一部が先行マシンのリヤホイールの前端にわずかでもかかっていれば、それを有意部分と判断する」
こうした発表に対してロズベルグの談話が入ってきている。
バーレーンGPのインシデントで議論の中心におかれたニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)は、イギリスGP前のFIAの新しいドライブ・ガイドライン発表を歓迎する意向だ。
「ドライバーセーフティのためには非常に役に立つ判断であり、明確な説明が出たことでわれわれは安心して前に進むことができる。この部分は不明確な点が多かったので、ルールの追加が必要かもしれないと考えていたが、(ガイドラインは)検討の余地がありそうだ。車体の幅といった規定は(ブロック後にレーシングラインに戻す際の規定)危険な動きをしたドライバーにペナルティを加える判断が明確になるので良いことだと思うよ」