自動車整備事業者で組織するBSサミット事業協同組合の磯部君男理事長は11日、都内で開いた全国大会で、「廉価で良質な修理の実現に向け、組織として大きく舵を切っていく」と述べ、その具体策として「さらなるリサイクルパーツの普及拡大に努める」考えを示した。
磯部理事長は「修理費の内訳は大きく部品代と工賃で構成されており、近年、部品代の占める割合が拡大し、7対3もしくは7割以上を占めている。この部品代にメスをいれなくてはいけない」と指摘。
その上で「まず部品交換をするのではなく、修理で復元するための技術の向上」に加え、「組織全体としては高騰する部品代抑制の仕組みを構築し、抑制するための具体的施策としてリサイクルパーツの利用率向上がとても重要」と述べた。
このためリサイクルパーツの利用啓蒙を始め、リサイクル部品そのものの代金や物流費を抑制する取り組みを組織として進めるとしている。磯部理事長はその具体例として「リサイクル部品はSランク、Aランク、Bランク、Cランクに仕分けられているが、Cランクの部品を修理してランクアップした形で在庫しておけば、近くの組合員への融通も可能となり、結果として物流費低減にもつながる」と説明した。
また磯部理事長は「10月に(自動車保険の)ノンフリート等級別料率制度が改定されて来年10月から事故のあった契約者の保険料が大幅に高くなる。このため自費修理を選択する人が多くなるだろう。自費修理となれば、修理費低減の有効策としてリサイクルパーツを使用する頻度も高まってくることも考えられ、積極的にリサイクルパーツの利用をお客様に提案できる体制づくりが重要だ」とも述べていた。