前日6月9日に開催されたPCCJ(ポルシェ カレラカップ ジャパン)第4戦に続き、富士スピードウェイではダブルヘッダーラウンドの第5戦が10日に行われた。
サーキット上空を覆う雲は、前日のレースでの雨も匂わせていたが、ポツリ、ポツリといった程度でコンディションはなんとか持ちそうだ。そのため、全車がチョイスしたのはスリックタイヤだった。
スターティンググリッドはPCCJ独自のダブルヘッダー方式により、第4戦決勝レースでのベストラップ順で決まる。よって、ポールポジションはゼッケン11番山野、2番グリッドには前第4戦でPCCJ初優勝を飾ったゼッケン14番平川、3番グリッドがゼッケン5番高見沢、以降ゼッケン2番田島、今シーズンにPCCJ初エントリーしているゼッケン19番永井というオーダーだ。
決勝レースは全15周。いよいよそのスタートが切られた。好スタートを決めたのは平川だ。ポールスタートの山野は若干濡れていた路面に足をすくわれ出遅れてしまう。
その後方では、同じく今シーズンのルーキーのひとり、永井がレース序盤でジャンプアップを決める。2周目にゼッケン16番横幕をパスすると、続いて高見沢をも料理してしまった。結果、なんと総合3番手まで順位を押し上げた。
レースも中盤を過ぎると、山野が待ちかねたように反撃に転じる。1.5秒以上あった平川との差は、10周目前後で0.5秒台まで縮められていた。
終盤まで続いた平川と山野による手に汗握る首位攻防戦だったが、最終的には山野の猛プッシュを防ぎきった平川に軍配。
平川は、「今回は自分の中で納得できる走りができたと思います。たしかにポルシェのブレーキングについて、まだマスターできていない部分もあるので、それは課題ですね。次のSUGOはいちども走ったことはありません。ですが、今後テストに行く予定もありますし、そこでブレーキングも改善できればいいですね」と、早くも照準を次のレースに合わせている。
ジェントルマンクラスでは、クラス優勝だけでなく総合順位でも3位入賞を達成している永井は、「スタートで失敗してしまいましたが、チームが頑張ってセットアップしてくれたおかげでこの結果を残すことができました。総合でも3位に入れて最高の気分です!」と満面の笑みを浮かべていた。
次戦のPCCJは7月28日と29日のスポーツランドSUGOで第6戦、第7戦のダブルヘッダー開催。5戦を終えて4人のウイナーを生んだ今シーズンのPCCJは、東北屈指のテクニカルコースでシーズンの折り返しを迎える。