引き続き好天に恵まれたインディアナポリスであるが、この日は特に雲ひとつない快晴となった。天気予報によると次に天気が崩れるのは月曜日だということだ。
このまま日曜の予選終了まで順調にスケジュールが進むとなると、タイヤの規定セット数が足りなくなるという心配すら出てきた。
ロータスの供給力不足からエンジンをシボレーへと急遽スイッチしたドラゴン・レーシングのふたりのドライバーのために朝8時から9時半まで特別走行枠が用意された。キャサリン・レッグのルーキー・オリエンテーション・プログラムとセバスチャン・ブルデ―のリフレッシャー・テスト(7年ぶり参戦の為)は更に延長され、公式練習は正午の開始予定から午後1時へとディレイされることとなった。
使用タイヤ数に制限があるため、各チームから不満の声は聞かれなかった。それどころか、アンドレッティ・オートスポートのマシンはこの日1台もピットに姿を現さなかった。これまでの5日間総合でトップ・スピードをマークしているマルコ・アンドレッティを筆頭にライアン・ハンターレイもジェームズ・ヒンチクリフも目下絶好調である。これは早くも土曜日の予選を睨んでの「タイヤ温存」の作戦かと思われる。
アンドレッティ勢不在の仲、6日目のトップになったのはスコット・ディクソンだった。223.088マイル/hはマルコに次ぐ今年2人目の223マイル台入りだ。2番手はこれも好調続きの新人ジョセフ・ニューガーデンが入った。
佐藤琢磨は219.900マイル/hで17番手に後退したが、プラクティスのスピードはどれだけドラフティング(風よけ)を使ったかにようのでひとつの目安でしかない。それよりも琢磨は単独走で219マイル台半ばを連発出来たことが大きな収穫だ。予選への準備は着々と進んでいるようだ。
土曜日と日曜日に予定されている予選とその前日(明日)のファスト・フライデーではターボへのエクストラ・ブーストが認められる。これによりエンジン・パワーは今日までより40~50馬力のアップが予想されている。予選に向けて明日はこのパワー・アップにどうセッティングを合わせるかが焦点になるだろう。一番の問題はギヤ比だと言われるが、他にも多くの微調整が必要になってくるはずだ。