川崎重工業が発表した2012年3月期決算は、営業利益が前年同期比34.8%増の574億円と大幅増益となった。
売上高は同6.2%増の1兆3037億円と増収だった。精密機械事業、プラント・環境事業、航空宇宙事業が増収となり、ガスタービン・機械事業や船舶海洋事業の減収をカバーした。
モーターサイクル&エンジン事業は、先進国向け二輪車の販売が減少したものの、新興国向け二輪車の販売増などで売上げは前期並みの2352億円となった。
二輪車やATVなどのコンシューマー向け製品の販売台数は同6.4%増の50万1000台となった。欧州は同14.9%減の5万7000台、国内は横ばいの1万4000台だったが、新興国が同13.6%増の30万9000台と大幅に増加した。北米も前年を上回った。
同事業の営業損益はタイの洪水や円高の影響を、新興国向け二輪車の販売増や固定費削減でカバーし、前期より20億円改善して29億円の営業赤字となった。
全体の損益ではプラント・環境事業や船舶海洋事業の増益が寄与し、経常利益は同29.4%増の636億円となった。当期純利益は繰延税金資産の取り崩しが発生し、同10.1%減の233億円だった。