気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2012年2月16日付
●トヨタ副社長7人体制に、国内販売専任を復活(読売・9面)
●大手先導役になれず、自動車・電機ベア見送り(朝日・6面)
●トヨタ自動車1段落格下げ(朝日・10面)
●東電2段階国有化、改革延滞で議決権2/3以上に、支援機構検討(産経・1面)
●現代、トラックで日本参入、韓中企業、品質・価格前面に、ハイアール白物家電で攻勢(日経・1面)
●新型軽を1割強増産、ホンダ、休日出勤を実施(日経・11面)
●ヤマハ発、47%増益どまり、前期最終269億円、タイ洪水・円高で下振れ(日経・15面)
●輸入車販促アクセル、店舗の改装・拡張相次ぐ(日経・31面)
●訃報:針木康雄氏(経営評論家)急性心不全のため死去、80歳(日経・35面)
ひとくちコメント
「AQUA(アクア)」という名前でも、トヨタ自動車が昨年末から発売して大人気の新型の小型ハイブリッド車ではない。中国の大手家電メーカー、ハイアールグループ(海爾集団)が経営不振の三洋電機から事業譲渡を受けた家電のブランドのことである。
そのAQUAを冠した冷蔵庫や洗濯機、衣類乾燥機など63機種の新製品をハイアールが日本での本格販売に乗り出すという。きょうの朝日や日経などが大きく取り上げているが、ハイアールの創業者・張瑞敏会長は、「白物家電のトレンドをリードする日本を攻略し、伸びるアジア市場で勢力を拡大する」と述べ、日本攻略にかける思いを強調したそうだ。
中国企業ばかりでなく、韓国勢も相次いで日本市場に参入する。日経によると、韓国のヒュンダイ(現代)自動車は2012年中にも大型トレーラーを発売、その後トラックを順次投入。2009年に撤退した乗用車販売への再参入も検討するという。韓国・サムスン電子も日本でのテレビ販売の再開を検討中とも伝えられている。
これまで国内市場を独占してきた日本勢のお膝元まで激しく攻め込んでいるようでは、日本の家電・自動車業界も安穏とはしていられなくなるだろう。