東京商工リサーチは、「中小企業金融円滑化法」に基づく返済猶予実績を調査してその結果をまとめた。
中小企業の資金繰り緩和に大きな効果が出ている同法は、2012年3月まで期限が延長されたが、さらに2013年3月まで再延長が決まった。
全国411金融機関の9月末までの同法に基づく返済猶予の申込件数は、286万8877件で、金額ベースで73兆9121億円だった。このうち、中小企業向け申込件数は261万1627件、70兆1026億円で実行件数は239万7340件、実行率91.7%で、金額は65兆1536億円で、件数金額ともに90%超となった。
中小企業の申込件数を地区別に見ると、最も多かったのは関東の120万9836件で全体の46.3%を占めた。次いで、中部の41万4300件、近畿の34万1267件の順で最も少なかった北海道は5万3252件だった。
謝絶(3カ月以上経過のみなし謝絶含む)は、6万2014件、金額1兆6174億円で申込件数の2.3%にとどまり、審査中は6万8131件、1兆7316億円。また、債務者の意思による申込撤回や倒産などによる「取下げ」は8万4142件、1兆5993億円だった。