トヨタ自動車の小澤哲副社長は9日の業績予想の発表会見で、同社が目指す利益水準に向け、「収益構造は着実に改善されている」と述べた。
同社は、トヨタおよびレクサスブランド車の世界販売が750万台、1ドル85円を前提とした場合、1兆円の連結営業利益が確保できる収益基盤の早期実現を目指している。
同日発表した2012年3月期予想では、円高や自然災害の影響で営業利益は2000億円にとどまる見込み。小澤副社長は、1ドル78円のレートを前提にしたこの予想では、同85円水準との比較で2800億円の減益要因が発生、さらに東日本大震災とタイの洪水による影響が2800億円含まれていると説明した。
これら合計5600億円の影響がなければ、今期の営業利益は7600億円確保できると見込み、「収益構造の改善」が進捗していると指摘した。ただ、足元の円高は依然是正の兆しがなく、引き続き「原価改善をはじめとする収益改善策への取り組みを強化したい」と述べた。