那覇発羽田行きANA全日空140便が静岡県沖合の上空で飛行中に急降下したトラブルで、国土交通省運輸安全委員会は8日、事故調査官3人を同機を運航する全日空子会社「エアニッポン」羽田事務所に派遣した。
トラブルを起こした副操縦士(38)や機長(64)ら関係者の事情聴取を行っている。
同機は浜松市の南方約43kmを高度約1万2500mを自動操縦で水平飛行中だった。6日22時50分頃、「機体の姿勢が不安定になり、指定高度を大きく逸脱。その際、速度超過を起こした」(全日空広報担当)という。機体は乗客117人を乗せ、約30秒で1800mを降下したという。
この時、女性客室乗務員2人が転倒して、首をねんざする軽傷を負った。ベルト着用サインは消えており、乗客が負傷した可能性もあり、国土交通省は重大な事故につながりかねない「重大インシデント」と認定し、事故調査官の派遣となった。
原因は調査中だが、直前に機長はトイレのために操縦室を離れていた。副操縦士が戻ってきた機長のためにドアロックを解除しようとした時、このスイッチと別のスイッチの操作をまちがえたことが可能性として考えられている。
副操縦士の操作したスイッチは、ドア開閉スイッチの左隣にあり、機体の姿勢を保つ方向舵の調整を行うためのもの。「数十cm離れているが、誤った可能性はある」と、同社は話している。