【新聞ウォッチ】中国高速鉄道脱線・追突事故の教訓

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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2011年7月25日付

●中国脱線死者35人に、高速鉄道追突「落雷で設備故障」(読売・1面)

●地デジ44都道府県移行、アナログ放送終了問い合わせ14万5000件(読売・1面)

●エコで勝負、太陽電池用いた充電スタンド、三菱自動車(毎日・8面)

●ガソリン価格3週ぶり上昇(毎日・8面)

●休業の木曜も操業、トヨタ・ホンダ、需要拡大対応(産経・10面)

●2010年世界シェア調査、日本、首位企業も劣勢、響円高、中韓台頭(日経・1面)

●インドネシア車市場、欧米勢猛攻(日経・6面)

ひとくちコメント

中国東部の浙江省温州で発生した高速鉄道の衝突、脱線事故は、死者が43人に増え、負傷者が210人を超える大惨事となった。24日朝刊に続いて、きょうの読売、朝日、産経、東京が1面トップで報じている。

事故は、北京発福建省福州行きの高速鉄道列車が、付近での落雷のため高架上で停車していた浙江省杭州発福州行きの高速鉄道列車に追突、先頭4車両が脱線し、約25m下の地面に落下。事故を起こした列車は川崎重工業が04年から参画し中国企業への技術供与を行ってきた「CRH2」型とカナダのボンバルディア社による「CRH1」型。ただ「追突した車両は川崎重工業の技術を基に開発されたが、事故原因は制御系統の障害にあったとみられる」(毎日)との見方もある。

きょうの各紙の論調は「日本の新幹線ではあり得ぬ」(朝日)というJR関係者のコメントが中心。東京の記事によると、日本の新幹線は、「高速走行中、運転士が信号を目視してブレーキをかけるのは困難」として開業と同時に自動列車制御装置(ATC)を導入。前方にブレーキがかかり追突を避ける仕組みでATCが故障したり、停電した場合にも自動的に急ブレーキがかかり停止する」という。

今回事故を起こした運行システムは「中国独自」の技術。原因究明が急がれるところだが、大破した車両を高架から下に落とす方法で撤去し、しかも、中国当局者が原因調査に伴う車体の検証も始まらないうちに「列車の部品を埋める様子も目撃された」(朝日)とも伝えられている。

先週、トヨタ自動車が「安全技術」について報道陣に公開した。衝突事故のショックを出来る限り軽減するためボディの素材は高品質の鋼板を使用しているが、それを「中国では日本車のボディは薄くて安全性に欠けると非難される」(トヨタ幹部)と嘆く声も聞かれた。安全技術は「見た目」だけでは評価できないはずである。

《福田俊之》

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