ジャカルタモーターショー、マツダブースの主役は2台。ステージには布で覆われた『MX-5』(日本名『ロードスター』)と反対側の回転台の上には『マツダ8』(日本名『MPV』)が鎮座している。マツダは5年前にインドネシア現地法人をつくり、主にタイからの輸入で自動車販売を行っているが、この2台は日本からの輸入である。
マツダ・インドネシア(PT.Mazda Motor Indonesia)堀米代志社長は、「日本での『RX-8』の生産停止を受けて、マツダの新しいブランドアイコンとしてMX-5を導入する。まだ2シータースポーツカーを楽しむ余裕がある人が少なく価格が5億9000万ルピア(約543万円)と高価なことから台数は期待していない。ブランド強化のための導入だ」と語る。
一方、同じく4億9800万ルピア(約458万円)と高価ながら販売に期待しているのが日本名でいえばMPVのマツダ8である。
「インドネシアでは55〜60%が3列シートのマルチパーパスカーだ。よってプレミアムマルチパーパス市場はここインドネシアには確実に存在する。販売店での反響も非常によく、マツダ8が5億〜9億ルピアのプレミアムクラスでポジションを作ってくれることを願いたい」(同社長)
としながらも、懸念点も示している。
「正確にはわからないが、インドネシアで走っている『アルファード』の8割が並行輸入車だとも言われている。一方で日本とインドネシアとのEPA(経済連携協定)が発行することにより税率が大きく下がる要素もある」(同社長)
日系の中では、インドネシアに工場を持たないのはいまやマツダとスバルだけ。「通貨リスクや消費地で近いところで生産するという常識から考えると、インドネシア進出は検討課題になる」(同社長)と将来に含みをもたせた。