BMWは20日、コンセプトカーの『328オマージュ』の概要を明らかにした。75年前に誕生したBMWの名車、『328』に敬意を表して、同車を現代の技術で甦らせたコンセプトカーである。
1936年、BMWは328を発表。美しい2ドアクーペ&コンバーチブルボディのフロントには、当時としては最新鋭の1991cc直列6気筒エンジン(最大出力80ps)を載せていた。さらに、シャシーは4輪独立懸架で、ブレーキには油圧式を奢るなど、メカニズムも画期的。328は4速MTを介して、830kgの軽量ボディを160km/hまで引っ張った。第2次大戦前のBMWとしては、最高傑作と評される1台である。
またこの328は、モータースポーツでも数々の栄光を手にした。イタリアのカロッツェリア、トゥーリングが328に専用ボディを架装したレース専用車を少量生産。その1台が1940年のミッレミリアにおいて、総合優勝という快挙を成し遂げるのだ。
今回、発表された『328オマージュ』は、328の誕生75周年を祝うモデル。2011年3月のジュネーブモーターショーに出品したコンセプトカー、『ヴィジョンコネクテッドドライブ』をベースに、名車328を再現した。
最新技術の結晶といえるのが、カーボンファイバー。サイドドアのないロードスターボディは、その大部分がCFRP(カーボンファイバー強化樹脂)を使って設計された。これにより、328オマージュは780kgという車両重量を実現する。
2シーターのキャビンは、外観以上にレトロな雰囲気。カーボンファイバー素材をふんだんに使用し、コクピットは囲まれ感の強いデザインが特徴だ。ダッシュボードには、2個のストップウォッチを装備。ブラウンのレザーシートや、アルミのアクセントトリムも目を引く。
328オマージュは21日、イタリア・コモ湖畔で開幕するクラシックカーの一大イベント、「コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラデステ」で実車を初公開。BMWはエンジンに関して、「3.0リットルのストレート6」とだけ公表している。