ACEA(欧州自動車工業会)は17日、4月の欧州全域(EU+EFTA全28か国)の新車販売結果を公表した。総販売台数は112万8327台。前年同月比は3.8%減と、2か月連続で前年実績を下回った。
5大主要国では、ドイツが前年同月比2.6%増の26万6251台と5か月連続で増加。しかし、フランスは11.1%減の16万9757台と、4か月ぶりに前年実績を割り込んだ。
また、イタリアは前年同月比2.2%減の15万7309台と、13か月連続のマイナス。英国も13万7746台を売り上げたものの、前年同月比は7.4%減と10か月連続の前年実績割れだ。スペインも23.3%減の7万1808台と、10か月連続で前年実績を下回った。
主要9社の販売実績は、首位のフォルクスワーゲングループ(アウディ、セアト、シュコダなどを含む)が、前年同月比3.7%増の27万6002台と、4か月連続で前年実績をクリア。VWブランドは5.1%増の15万0206台、シュコダブランドは2.1%増の4万0207台と4か月連続で増加。アウディブランドも、3.6%増の5万8819台を販売し、9か月連続の前年実績超えだ。しかし、セアトブランドは、0.8%減の2万6561台とマイナスに転じた。
2位のPSAプジョーシトロエンは、前年同月比17.9%減の13万2949台と12か月連続で減少。その内訳は、プジョーが18.8%減の7万3929台、シトロエンが16.8%減の5万9020台と、ともに2桁減の不振だ。
ルノーグループ(ダチアを含む)は3月の5位から、4月は3位へ浮上。しかし、その販売台数は10万5799台にとどまり、前年同月比は12.6%減と、2か月連続のマイナスだ。低価格のダチアブランドは、2.2%増の2万0746台とプラスに転じたが、主力のルノーブランドが15.6%減の8万5053台で、2か月連続のマイナスと振るわない。
3月の3位から4位に後退したのは、GMグループ(オペル、シボレー、サーブを含む)。その販売台数は9万6490台で、前年同月比は0.6%増と、2か月ぶりのプラスだ。オペル/ヴォクスホールブランドが、1.2%増の8万1332台と健闘した。
5位はフォードモーター。その販売台数は8万5948台にとどまり、前年同月比は3%減と、13か月連続の減少だ。
6位のフィアットグループ(ランチアやアルファロメオを含む)は、8万2315台を販売。前年同月比は7.8%減と、14か月連続のマイナスとなった。ブランド別では、アルファロメオが61.7%増の1万2650台と大幅増を維持。しかし、フィアットが14.8%減の6万0933台、ランチアが11.9%減の8098台と落ち込んだ。
7位のBMWグループ(MINIを含む)は、6万6450台を販売し、前年同月比は5%増と、8か月連続のプラス。BMWブランドは3%増の5万3601台、MINIブランドは14.6%増の1万2849台と、両ブランドともに好調だ。
トヨタを抜いて8位に上昇したのは、ダイムラー(メルセデスベンツとスマート)。ただし、その販売台数は5万6057台で、前年同月比は1.9%減と2か月連続の前年実績割れだ。ブランド別では、メルセデスベンツが1.2%減の4万8787台、スマートも6.6%減の7270台と、不振が続く。
トヨタグループ(レクサスを含む)は、9位。その販売台数は4万7314台で、前年同月比は0.1%減と、2か月ぶりのマイナスとなった。トヨタブランドは3.5%減の4万4159台。一方レクサスブランドは、『CT200h』投入の効果で99.8%増の3155台と、3か月連続増となった。
トヨタ以外の日本メーカーでは、日産が前年同月比14.3%増の3万7115台と、4か月連続のプラス。しかし、スズキは8.5%減の1万5404台、マツダは25.1%減の1万0627台、ホンダは34%減の9920台と苦戦している。一方、三菱は51.4%増の1万0907台と、9か月連続で前年実績を上回った。
韓国メーカーでは、ヒュンダイが3万5333台を販売し、前年同月比は28.1%増と2か月ぶりに増加。キアは0.1%減の2万3589台と、4か月連続のマイナスを喫した。
今年1〜4月の欧州新車販売は、前年同期比2.4%減の482万0870台。トヨタをはじめとする日本メーカーにとっては、減産による影響で、5月以降の販売が厳しさを増す可能性がある。