日立電線は、巻線を製造するグループ会社の日立マグネットワイヤが世界で初めて絶縁皮膜に耐サージ性と耐熱性に優れたワニスを採用した次世代自動車向け耐インバーターサージ性平角ポリアミドイミドエナメル線を開発した。5月から本格量産を開始する。
ハイブリッド車や電気自動車をはじめとする次世代自動車には、動力源となるモーターやモーターの出力を調整するインバーターが搭載されており、その材料としてエナメル線が使用されている。
モータの信頼性向上や、小型化・高出力化のために耐サージ性と耐熱性、高占積率を兼ね備えたエナメル線のニーズが高まっている。今回、絶縁皮膜に耐サージ性と耐熱性に優れたワニスを採用した耐インバーターサージ性平角ポリアミドイミドエナメル線を開発した。
このエナメル線は、導体を耐サージ性ポリアミドイミドの絶縁皮膜で被覆した平角のエナメル線。絶縁皮膜は、耐熱性に優れたポリアミドイミドエナメルワニスにシリカのナノ粒子をナノコンポジットさせており、ポリアミドイミドエナメル線の優れた特性を保持しながら部分放電に対する耐サージ性を強化する。
高占積率化が可能な平角エナメル線で独自の絶縁皮膜塗布技術を使って皮膜厚さを均一化することで、安定した電気的特性を実現する。
開発品は5月18日から20日まで横浜国際会議場(パシフィコ横浜)にて開催される「人とクルマのテクノロジー展2011」に出展する。