トヨタ自動車の豊田章男社長は19日、同日より中国・上海で開幕した上海モーターショーのプレスカンファレンスに出席、「中国はトヨタにとって最も重要な市場である」と語った。
豊田社長は冒頭で、東日本大地震の被災地に対する中国からの支援に対し感謝を述べ、自身も被災地を訪問した経験を踏まえ、「現在の日本に必要であるのは、『明日への希望』」だと述べた。
カンファレンスでは豊田自動織機の歴史を映像で紹介、社長就任以来、困難な状況もあったが、「トヨタ創業の精神」に立ち返り、改めて「クルマづくりを通じて、社会を豊かにしたい」と抱負を語った。
トヨタは昨年11月に中国の開発体制を強化するため、常熱市に研究開発センターを設立。中国の消費者に満足してもらえるよう、「クルマを鍛えぬく」とした。また同市は一汽自動車、広汽自動車との合弁による研究開発センターの中間に位置し、この三極トライアングルで、先進の技術開発をおこなうとともに、若手技術者の育成にも励む。
エコカー開発については、研究開発センターを中心に、省エネルギー車、新エネルギー車ユニットの国産化をめざす。また、「あらゆる環境技術を中国に導入する」ことも明らかにした。
中国でのマネジメント体制については、意思決定を早くし、現場に根ざした経営とするため、中国本部長の佐々木昭専務、中国副本部長で新任常務役員の北田真司氏、董長征執行副総経理の少人数体制でおこなうとした。