【トヨタ ヴィッツ 試乗】期待される存在だからこそ最新最善を…まるも亜希子

試乗記 国産車
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トヨタ『ヴィッツ』は日本を代表するコンパクトカーだけに、大きな期待を持ちすぎたのかもしれない。でも、もうちょっとなんとかならなかったのかな? というのが最初に試乗した時の思いだった。

スタイリングや室内空間は、とてもいいと思う。ボディカラーは17色もあるし、「ジュエラ」や「RS」などのキャラクター分けを明確にしたのも、コンパクトカーが多様なシーンで求められるこの時代に合っている。欲を言えば全部のグレードに用意して欲しかったけれど、アイドリングストップ機構の進化だって素晴らしい。

でも走ってみると、どうも頼りない感じがぬぐえない。街中では路面からのガサツな入力が絶えないし、高速にのればどうもビシッとした剛性感が物足りない。それも明らかにダメなのではなく、この程度なら許容範囲だけどなんとなく足りない気がする、という80点を狙ったような感覚だ。先代のヴィッツから進化した感じがしない、と言えばわかりやすいかもしれない。

一般道から首都高速をぐるりと走ってみて、いちばんバランスがいいと思ったのは、1.3リットルのSMART STOPパッケージだった。これなら比較的、しっかりとした剛性感もあるし、なにより乗り心地がいい。安全装備でもVSC&TRCが唯一標準装備のグレードだ。

これからの時代は、コンパクトカーが担う役割は大きく、責任も重い。それだけに、多くの人に親しまれ、期待されているヴィッツならばやはり、最新最善を目指して欲しいと心から願う。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★

まるも亜希子|カーライフ・ジャーナリスト
映画声優、自動車雑誌編集者を経て、カーライフ・ジャーナリストとして独立。現在は雑誌・ウェブサイト・ラジオ・トークショーなどに出演・寄稿する他、セーフティ&エコドライブのインストラクターも務める。04年・05年にはサハラ砂漠ラリーに参戦、完走。日本カー・オブ・ザ・イヤー(2010-2011等)選考委員、AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。

《まるも亜希子》

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