東レの小泉愼一副社長は24日、都内で会見し、独ダイムラーと合弁で自動車部品の製造・販売会社を設立することを発表した。新会社では、炭素繊維複合材料(CFRP)を用いた部品を手がける。
小泉副社長は「従来30分かかっていたCFRPの成形を5分間に短縮する技術が、事業化につながった」と振り返った。「これまでCFRPは成形に時間がかかるため、加工コストが高くなり、採用はF1を筆頭とするスーパーカー、一部の超高級車に限られてきたが、今回の技術を使えば大幅なコストダウンを実現することができる。(500万円以上の)高級車などにもCFRP部品の本格的な採用拡大が期待できる」と述べた。
さらに小泉副社長は「航続距離の延長が大きな課題になっている電気自動車や燃料電池車などはガソリン車に比べて車両の軽量化がより必要となる。この分野でもCFRP部品の本格的な採用が期待される」と見通しを示した。
ドイツに設立する合弁会社については「当面はダイムラー向けに部品を製造、供給する」としながらも、「将来的には他の自動車メーカーへの供給もありえるし、さらに自動車以外への展開というのも可能性としてはあると考えている」とした。