富士通研究所、広域道路交通シミュレーターを開発…交通円滑化施策を再現

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広域道路交通シミュレーター
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富士通研究所は、交通の円滑化に向けたさまざまな施策の事前検証を行うことができる『広域道路交通シミュレーター』を開発した。

渋滞や交通事故の防止などのため、道路交通の円滑化が重要な課題となっており、カーナビによるVICSサービス拡充や高速道路料金の見直し、信号情報の事前通知などの施策が検討されている。これらの施策の効果は、適用場所や状況によって大きく異なるため、有効性を事前に検証する必要があるものの、実際の道路上での事前検証は困難だ。また、交通施策が実際のドライバーに与える影響を検証するためには、運転体験による評価も必要だ。

今回、広域の道路上にある数万台の車両の詳細な挙動をリアルタイムにシミュレーションするとともに、毎秒60フレームのドライバー視覚映像を生成することで、その中の車両1台に仮想的に乗車して運転することを可能にした。

数万台の車両の挙動をリアルタイムにシミュレーションするため、広域の道路を複数の領域に分割してそれぞれの領域を並列に計算する。領域の境界をまたがった車両の移動や車両間の相互作用も正しくリアルタイムに同期する。また、ドライバーの挙動や経路選択、運転操作や車体の物理的な運動などについては、階層化した車両挙動計算モデルにもとづいて階層ごとに計算の量や頻度を変え、リアルタイムでの計算する。

運転体験によって、実際のドライバー視点で施策の効果や問題点を評価でき、その道路の状況に合わせた適切な施策を設計することが可能になるとしている。

今回開発した技術によって広域の道路で交通施策のシミュレーションを実施、運転体験によりドライバーの視点で評価することができる。これによって安全で快適、環境に対応した交通環境づくりを支援していく方針だ。

今後、交通状況センシングやテレマティクスを使った交通誘導などのサービスの評価に適用、サービスの具体化を支援する。また、シミュレーション範囲の広域化と、評価対象となるサービスの拡大を進め、都道府県や地方レベルでの広域交通施策の検証への適用も目指す。

《レスポンス編集部》

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