富士通と名古屋大学が、交通空白解消に向けた新たな交通サービスの定着を促すため、住民の利用意向に影響を及ぼす心理的要因や選択行動をシミュレーション可能にする「社会受容性モデルベースシミュレーション」(略称SAMSIM)を開発した。
この技術は、名古屋大学が開発した社会受容性モデルと、富士通のエージェントシミュレーション技術を組み合わせたもので、デジタルリハーサル技術の一つと位置付けられる。これにより、広報活動などの施策が住民の心理にどのような影響を与え、利用者数を向上させるかを事前に予測することが可能となる。
技術の効果検証では、奈良県川西町と中央復建コンサルタンツが2023年度に実施した予約型乗り合いタクシーサービスの実証実験データを活用。住民約15%(約1200人)から回答を得た48項目の大規模アンケートに基づき、住民の選択行動を再現するモデルを構築した。