日産自動車は12日、中期環境行動計画「ニッサン・グリーンプログラム2010」に基づく取り組みとして国際連合大学高等研究所と推進してきた「生態系および生物多様性と自動車セクターとのかかわりに関する共同研究」の成果を発表した。
この共同研究は、生物多様性が保全されることで自然が社会にもたらす価値に焦点を当て、自動車ビジネスのバリューチェーン全体を通してどれだけ価値に依存し、影響を与えているかを明らかにすることが目的。
国連のミレニアム生態系評価(MA)に基づく「企業のための生態系サービス評価(ESR)」の手法を用い、材料資源の採掘から車両生産、車両走行など、幅広いバリューチェーンを対象に評価した。
自動車メーカーとして優先する重点として「エネルギーの調達」「材料資源の調達」「水資源の利用」の3領域を特定した。共同研究の成果は10月12日から同社のウェブサイトで公開している。
日産は今後、共同研究を通じて明らかになったビジネス上のリスクと機会から、企業に不可欠である石油消費量の削減と代替エネルギーへの転換、材料資源採掘量の削減、水資源使用量の削減といった課題に戦略的に取り組んでいくとしている。