双日は、世界最大のセルロース繊維メーカーのレンチングと提携し、主に自動車用途向けにユーカリを主原料とする植物由来繊維「テンセル」の原綿を使用したバイオ樹脂コンパウンド事業に参入する。
双日が自動車用途向けに供給するのは、植物であるユーカリを主原料とするテンセル繊維を使用した強化プラスチック用コンパウンド材。独自の製法で特許を持つレンチングが生産する。原料のユーカリ原木は、成長が早い高木であり、必要とされる水量もコットンに比べ約70分の1と環境負荷を低減できる。
双日は、この原料の供給を受け、環境に優しい独自の製法で繊維化することで、石油由来の従来のコンパウンド材と比べて二酸化炭素排出量削減に寄与する。
コンパウンド材は、ポリ乳酸樹脂やPP(ポリプロピレン)と混ぜることで、プラスチック強化材として力学物性を向上させることができる。ガラス繊維と比べて比重が軽いことから軽量化が図れ、繊維強化プラスチックとして、主に自動車のダッシュボードや使用環境の厳しいエンジンルームなどの成形部品での用途も見込まれる。
また、セルロース繊維ながら高い重合度があり、他の植物由来繊維に比べて物性値が高く安定していることから、主にモケットや織物、ニット生地といったカーシート表皮材や天井材、内装材などの自動車用途での開発も見込んでいる。
双日は、2011年をめどに、日本初となるバイオ樹脂コンパウンド樹脂事業に参入する計画だ。