日産自動車は、国内で新興市場に負けないコストの小型車を生産するため、九州工場を母体とした新会社の設立を検討すると発表した。
日本事業を強化するため、日本におけるモノづくり競争力を強化するのが狙い。
円高ドル安の進行や、新興市場の台頭など、自動車を取り巻く環境が大きく変化している中、同社ではグローバルな自動車メーカーとして成長していくためには、将来にわたって小型車も日本で生産し続けられるグローバル競争力を持った生産拠点が必要と見ている。これを実現することで、国内100万台レベルの生産を確保・継続し、国内空洞化を防ぐ。
九州工場は、アジア地域のLCC(ローコストカントリー)サプライヤーの拠点にも近く、周辺にコスト競争力の高いサプライヤーが集積しているなど、国内工場の中でも特に地理的優位性を持っている。新会社を設立して人件費を抑制するとともに、地理的優位性も活用し、グローバル競争力を持つ会社となるようチャレンジし、新興市場に負けないコスト競争力のあるモデルの国内生産を目指す。
日産は2011年秋に新会社を設立、今後日産自動車労働組合とも協議しながら実現に向けた詳細な検討を行っていく。
一方、日産は主力小型車の『マーチ』の生産を生産コストの安いタイに移管、日本市場には輸入で対応している。