【新聞ウォッチ】冷え込む秋、スズキ会長「限界を超えた」

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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2010年9月27日付

●強硬中国に手詰まり感、政府、長期化懸念、首相「謝罪や賠償に応じず」、中国報復、当面継続か(読売・1面)

●経済ひと点描:住友化学・広瀬博社長「地域との共生重視」,富士通テン・重松崇社長「カーナビネットと連動」(読売・7面)

●トヨタリコール発表から1年、米の「急加速」また幻?見つからぬ電子欠陥、信頼は失墜(東京・3面)

●景気足踏み、回復力に不安、長引く円高、企業圧迫(日経・1面)

●三洋元副社長の前田氏、日本電産の副社長に(日経・9面)

●産業景気予測:経営者の目 鈴木修・スズキ会長兼社長、円、企業の限度超す水準(日経・26面)

ひとくちコメント

「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉どおりで、先週末は各地で猛暑日を記録した22日と一転、秋分の日の23日から24日にかけて冷たい雨が降り続いた。初秋どころか一気に初冬を迎えたほど肌寒く感じたが、急激な変化は気候ばかりでなく日本経済にも暗雲が立ち込めているようだ。

きょうの日経によると、「2009年4月から続く景気回復の勢いが鈍ってきた」と1面トップで報じている。その理由としては「世界経済の減速と国内の政策効果の息切れが重なり、輸出や生産の拡大にブレーキがかかる」、「円高・株安が企業や家計の心理を冷やし、設備投資と個人消費を下押しする恐れも出てきた」と分析。

7~9月期の日本経済は猛暑やエコカーなどの特需で高めの成長率を維持するが、「年末にかけて足踏みの状態に陥る公算が大きい」との見方を示している。10〜12月期の産業天気図予測は「曇り」が主要30業種のうちなど14業種と、7~9月期の当初予測から3業種増えたという。

自動車、電子部品・半導体、化学、コンビニの4業種が「薄日」から「曇り」に悪化。このうち、自動車はエコカー補助金打ち切りの反動で、トヨタ自動車が10月から国内生産を2割減らすなど、国内販売の落ち込みは避けられないほか、想定レートを大きく上回る円高の定着も追い打ちをかけそうだとみている。

経営者の目として、自動車は鈴木修・スズキ会長兼社長を取り上げているが、「15年前と違うのは、合理化もコストダウンもぎりぎりまで進めたあげくの円高という点」としながら「企業は自分たちで守るものだが、今の水準は限界を超えている」とコメントしている。

これまで歯を食いしばってでも苦境に耐え抜いてきた鈴木会長が「限界を超えた」という弱音を吐くほど、下期は厳しい状況が続くことが予測される。

《福田俊之》

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