フィアットが大型商用車部門を分離 2011年1月から

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伊フィアットは21日、大型商用車などの部門を2011年1月1日に分離(スピンオフ)することを取締役会で決定したと発表した。9月に行なわれる株主総会で正式に決定する。

新会社の名称は「フィアット・インダストリアルS.p.A.」で、現在フィアットS.p.A傘下にある大型商用車、産業用車両、建設・農機部門を引き継ぐ。ブランド名では従来の「イヴェコ」「ニューホーランド」「ケース」などが新会社に移行する。

いっぽう、フィアット・グループ・オートモビルズ(フィアット、ランチア、アルファロメオ、小型商用車)、フェラーリ、マセラティ、マニェッティ・マレッリ(部品)、テクシッド(部品)、コマウ(工機)、フィアット・パワートレイン・テクノロジーズ(部品)は、従来どおりフィアットS.p.A.の傘下に残る。

新会社フィアット・インダストルアルは、現在のグループ持ち株会社であるフィアットS.p.A.とは別に、ミラノ証券取引所に上場される。現在株主が所有するフィアット株は、1:1の割合で自動的に新会社フィアット・インダストリアルの株式と分割される。

今回のスピンオフで、フィアットS.p.A.および新会社フィアット・インダストリアルは、それぞれがコンパクトな企業となることで、金融機関からの融資をより円滑に仰ぐことができるようになる。

イタリアの各テレビ各局は、21日のニュースで、フィアットのスピンオフをトップで扱い、ミラノ証券取引所でも株主たちの好感を受けてフィアット株は前日比6%超の値上がりをみせた。

過去にフィアットは、2000年に鉄道部門を、03年には航空機部門を売却してきた。そして今回のスピンオフでフィアットは、創業直後から手がけてきたトラクターや船舶用エンジンの製造部門も新会社に移す。

戦前のフィアットにおける有名なスローガンである「Terra、mare、cielo=陸、海、空」は、完全に過去のものになろうとしている。

《大矢アキオ Akio Lorenzo OYA》

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