BMWは4月29日、『X3』のポリスカープロトタイプをドイツ高速警察に納入したと発表した。
このX3は、3.0リットル直列6気筒ターボディーゼル(218ps)に、フルタイム4WDを組み合わせる「xドライブ30d」グレードがベース。無線やコンピューター、カメラシステムなど、ポリスカーに必要な装備を追加している。
中でも目を引くのは、LEDライトの数だろう。ルーフバーはもちろん、フロントバンパー、ダッシュボード、リアウインドウなどにLEDが組み込まれる。圧巻はテールゲートで、開ければ「これでもか」と言わんばかりのLEDが出現する。
実はこれには理由があり、ドイツの高速道路では、取り締まりなどで路肩に止めたポリスカーに、後続車が追突する事故が多発。毎年、警察官が死傷する事故が起きている。事故を減らす目的で、多くのLEDや反射材が装着されているのだ。
ドイツ内務省のJoachim Herrmann大臣は、「高速警察は、非常に危険な任務。ポリスカーは、安全性能が最優先する」と述べている。
ドイツ警察は今後、このX3プロトタイプをテストし、導入に向けた最終判断を行う。すでにX3は、ドイツの消防署にレスキュー車として配備された実績がある。BMWは「特殊車両の開発に関して、50年以上のキャリアがある」とアピールしている。