世界最大のモーターショーとして注目を浴びている北京モーターショー2010。日本貿易振興機構(JETRO)は一般公開初日の4月25日、広州モーターショー2010(12月21 - 23日)に合わせて開催する日系自動車部品調達販売展示会(JAPPE)の概要を発表した。
広州をはじめとする中国華南は日系自動車メーカー、部品メーカーが多数進出し、日本車のシェアも7割に達するなど、日本にとっては重要な地域。JAPPEはその華南において、部品メーカーと自動車メーカーが部品取引をより幅広く行うための機会提供の場として2005年にスタートしたイベントで、2009年は225社が309のブースを構え、延べ1万6000人が来場した。
「世界屈指のクルマの潜在需要がある中国市場は、自動車メーカーや一次部品メーカーだけでなく、“部品の部品”を作っている二次以下の部品メーカーにとっても魅力的であることは間違いないと思います」と北京モーターショー会場でJETRO広州の横田光弘所長は語った。
「しかし、大手に比べると現地情報を得ることが難しい中小企業にとっては、進出は簡単ではありません。そこで開催6回目となるJAPPE2010に向け、中小企業へのサポート案を練っているところです」(横田氏)
まずは出展料。2009年は1間口あたり、部品を調達する側が7000元(約10万5000円)、販売する側が8000元(約12万円)となっていたが、日本の中小企業が参加する場合、特別価格を設定する方針だという。
第2は中国とFTA(自由貿易協定)を結んでいるASEAN(東南アジア諸国連合)に進出している日系企業の誘致。日本から中国に輸出する場合は関税がかかるが、ASEANからの輸出には関税がかからないため、ASEAN進出企業にとっては在中国メーカーとの取引を増やす絶好の機会だからだ。
3番目は省エネルギー関係の部品メーカーへの呼びかけ。中国共産党の電気自動車推進政策によって、中国ではパワーエレクトロニクス、モーター、電池など、EVがらみの部品の需要が急速に増えている。が、それらの技術を持っている企業のなかには自動車メーカーと取引をしていないところも多い。そのような企業と自動車メーカーをコネクトすべく、情報提供を行うという。
これらの策に加え、JAPPE2010に出展はしないが、中国市場や現地自動車メーカーとの取引はどのような状況にあるのかを見たいという企業に対して、視察団を組むというプランも立てている。中国進出の進出機会をうかがっている企業にとって、2010年末のJAPPE2010は興味深いイベントとなりそうだ。