日産自動車では、ストレスフリーなクルマを目指そうと“インタラクションデザイン”に力を入れているという。これは人とクルマとの関係性のデザイン、つまり、ユーザーがクルマに関わる時、全ての要素がスムーズで魅力的に感じられるようにデザインすることだという。
日産自動車のデザインの本拠地でもある日産テクニカルセンター(神奈川県厚木市)内のグローバルデザインセンターを一部メディアに公開した。
プロダクトデザイン部でインタラクションデザインを担当する渡辺悦啓さんは、開発ステップを次のように説明する。「まず、お客様の目線で論議します。例えば運転席の窓を開けようとして後ろの窓を開けちゃうとか、助手席によくカバンを置くがブレーキを踏むとどさっと落ちるとか」。まだまだ解決したい課題がたくさん見えてくるという。
次にユーザーがどう使っているかを観察する。「例えば、車から降りる時にどのようにドアハンドルを引っ張っているのか、ということを色々な人を見て観察をする。ドライバー席から降りるときはドア側の手で引っ張る。対して、助手席から降りるときは反対側の手で引っ張って降りる人が意外と多いというのを見つけたりするのです」。
「高齢者や体に障害を持っている人はどうなんだろう。インタビューして聞きだすことは難しいので、エイジングスーツというのを使って自ら体験しながら、ここがこう辛いのかという観点を見つけていくのです」
そういった課題を解決するため、出来るだけ早く、簡易モックアップを作る。「手造りのペーパーモデルだったり発泡スチロールのモデルだったするのですが、その初期モデルにアイディアを盛り込んで、実際に走らせながら検証して改良していくのです」。そして市販デザインにつながっていく。