インド日産の徳山公信社長は9日、横浜市の日産自動車本社でインド事業についての説明会を開き、「進出する時期としては遅れたが、十分巻き返せる」との見解を示した。
インドの自動車市場は2009年、226万台と前年比14%増と拡大を続けており、スズキがシェア45%と圧倒的な強さを誇る。それを現代自動車(シェア16%)、タタ自動車(同14%)、マヒンドラ&マヒンドラ(同8%)、GM(同4%)、トヨタ自動車(同3%)、ホンダ(同3%)などが追っている状態だ。
日産は全くの蚊帳の外で、5月にようやく現地生産を始めるところ。完全に出遅れた格好だが、「タイミングとしては、今後のインド市場が急拡大するときに進出できた。ディーラー網の整備も活発に進めているので、十分対応できる」(徳山社長)と自信を見せる。
しかし、販売網の整備に力を入れているのは他社も同じ。スズキは約800店から12年3月末までに1000店に、現代は今年中に290店から320店へ、ホンダも約120店から14年3月末までに200店へ増やす計画だ。それに対して、日産は13年までに80店。
「ニッチメーカーではなく、メジャープレイヤーになっていく」と徳山社長は強調するが、果たして目論み通りに行くか。それほど甘くないのではなかろうか。