1960年代生まれの初代をモチーフにしたデザインが最新スポーツクーペのどれよりスタイリッシュというのも微妙だけど、カッコいいものはいいんだからしょうがない。
しかもエクステリア以上にインテリアがすばらしい。でっかい角型メーター、センターコンソールの奥にあるサブメーターにもそそられるが、助手席側が単なる壁のインパネにはやられた。セチ辛い世の中だからこそ、おおいなるムダ使いが逆にうれしい。
それでいて走りはいたってマトモ。グローバルRWDアーキテクチャーと呼ばれる米豪共作シャシーは、ストローク感のある足が、乗り心地とハンドリングを両立していて、日本の道でも予想以上に楽しめる。
しかも新型は、V8じゃなくても満足できる初めての『カマロ』でもある。よく回り音もいい3.6リットルV6とトルコンスリップの少ない6速ATのコンビが、モダンなシャシーにとても合っている。圧縮比11を越える直噴なのにレギュラーガス対応というのもすごい。GMの底力を教えてくれる快作だ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★
森口将之|モータージャーナリスト
試乗会以外でヨーロッパに足を運ぶことも多く、自動車以外を含めた欧州の交通事情にも精通している。雑誌、インターネット、ラジオなどさまざまなメディアで活動中。著書に『クルマ社会のリ・デザイン』(共著)、『パリ流 環境社会への挑戦』など。