国際カーエレクトロニクス技術展で、ちょっと変わったアルコール・インターロックの展示を発見した。
アルコール・インターロックは、アルコールセンサーに息を吹きかけて、アルコールが検知されるとエンジンが始動しないという装置だが、東海電子の新型インターロック「ALC-LOCK」は通信モジュールとカメラがついており、車両単体での制御だけでなく、管理者がその状態をリアルタイムで監視したり、記録することができるようになっている。
用途はもっぱら、バス、トラック、営業車など業務用車両ということになるが、カメラ映像によって、営業所や管制センターなどにセンサー情報、GPS情報、測定画像などがリアルタイムで送信される。このため、通常のインターロックとしての機能だけでなく、センサーを代理に検知させ、運転者と異なるような不正も見逃さない。測定中の画像と、走行中の画像も自動的に送信されるため、息を吹きかけた人と運転者が別人の場合もすぐにわかるからだ。
カメラと通信モジュールを搭載したモデルは今夏ごろ発売予定で製品化を進めているそうで、展示品は試作品とのことだ。通信モジュールはKDDI製だ。試作品ではディスプレイユニットにカメラが一体化された構造になっていたが、製品化の際にはカメラは分離されるかもしれない。
なお、同社のアルコールセンサーの特徴は、一般的な半導体ガスセンサーではなく、燃料電池センサーを用いているとのことだ。この方式だと、センサー価格が高くなるが、検出精度が高く、エタノールに近い分子構造のものに対する誤判定の確率が低くなる。同社の製品は業務用だが、海外では警察が取り締まりに使うための基準をクリアしており、実際に使用されているという。