【MINI 50周年】最新技術と未来像…エンジンからコンセプトカーまで

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個性的なデザインやキャラクターが目を引くMINIであるが、その成功を影で支えているのが、BMWならではの徹底した技術志向だ。そこが「ファッショナブルな(だけの)商品」とMINIとの決定的な違いと言える。

その技術的トピックは数多いが、ここでは現行モデルのエンジンとシャシーの一端、そして次世代のMINIについて見てみよう。

◆エンジン:自然吸気とターボ、いずれにも最新技術を採用

第1世代のBMW MINIが積んだエンジンは通称ペンタゴンユニットと呼ばれる1.6リッター直列4気筒SOHCだったが、2007年からの第2世代では、BMWとプジョーの共同開発による最新のオールアルミ製DOHCエンジンが採用された。

排気量はONEが1.4リッター(95ps、14.2kgm)、クーパーが1.6リッター(120ps、16.3kgm)となり、どちらにもBMWが得意とする「バルブトロニック」が採用された。バルブトロニックとはポンピングロスの要因となるスロットルバタフライの代わりに、吸気バルブのリフト量を可変することで吸気量を制御するもので、結果的に燃費性能やレスポンスを向上させる。同様の技術はトヨタや日産の一部車種にも採用されているが、こうしたスモールカーでの採用例はまだ少ない。

一方、第2世代のクーパー Sは、1.6リッターDOHCの直噴ターボエンジン(175ps、24.5kgm)を採用。スーパーチャージャーで過給を行っていた第1世代のクーパー Sに比べて、パワー、レスポンス、燃費性能を向上させている。ターボチャージャーは排気導入経路やスクロール室を2分割したツインスクロール式で、高圧シングルターボで発生しやすいターボラグを抑制、1600回転という低回転域から過給効果を得るものだ。このクラスのターボエンジンとしてはトップクラスの出力と環境性能を誇る。

シャシー:マルチリンクのリアサスペンション

シャシーにも電子制御プログラムの積極的な活用(DSC、ASC+Tなど)など見るべき点は多いが、MINIのハンドリングを決定づけている大きな要素がマルチリンク式のリアサスペンションだ。

通常このクラスでマルチリンク式が採用されることはまずない。マルチリンクにも各種あるが、一般的にはコストが高く、それなりに搭載スペースを必要とするからだ。FF車にしてもFR車にしても、排気量で言えば2リッター以上の上級車で用いるのが普通だ。

にも関わらず、MINIが贅沢な造りのマルチリンクを採用したのは、MINIらしい俊敏な操縦性に加えて、クーパー Sなどの高性能モデルに余裕で対応できる足まわりとするためだ。もしこの決断が無ければ、「ゴーカート・フィーリング」と称するMINI独自のドライビングフィールは実現できなかっただろう。逆に言えば、それこそがライバル車が真似したくても出来ないMINIの特長ともなっている。

◆未来への試み:「MINI クーペ コンセプト」と「MINI E」

今年2009年9月に行われたフランクフルトショーでは、MINIのコンセプトモデル「MINIクーペ コンセプト」が披露された。その名の通り、これは現行MINIをベースに2人乗りクーペとしたもので、MINIのスポーツ性能をさらに研ぎ澄ませたもの。すでに市販化に向けて開発中だという。

一方で、未来のゼロエミッション時代に対応するのが電気自動車の「MINI E」だ。こちらはすでに600台以上がアメリカやドイツで路上テストを行っている。モーターは150kW(204ps)、220Nm(22.4kgm)とかなり強力で、0-100km/h加速性能は8.5秒、最高速度は152km/h。リチウムイオンバッテリーを搭載し、充電1回あたりの走行可能距離は約240kmを誇る。

《丹羽圭@DAYS》

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