富士重工業は、果菜類の栽培などの農作業で、土壌消毒作業を自動で行う農業用ロボットシステムを開発した。
線虫などの害虫を駆除する土壌消毒に使用されるのはクロロピクリンという酸化作用の強い薬液で、使用にあたっては吸引を防ぐため防護服や防毒マスクの着用が必要で、農作業者にとって大きな負担となっている。
今回開発したシステムは、農地での使用を前提に専用設計を施した自律走行ロボットが薬液を自動的に農地に注入するもので、作業者の安全確保や省力化が図れる。
ロボット本体の重量は軽トラックに搭載可能な350kg以下に抑え、ロボット本体が軽トラックの荷台に道板を掛けた上を自走できるなど、傾斜地での移動性を確保するため、約25度の登板性能を持つ。柔らかい土の上でも走行性を確保するため、車輪部はキャタピラー式を採用した。
ロボット本体の走行制御は、コストを考慮してレーザー三角測量技術のみとした。ビニールハウスなどの支柱に取り付けられた反射板にロボットがレーザーを投光することで、ロボットの向きや位置を検出すると同時に、直進やターンなど状況に応じた行動を自律的に行う。