フォードモーターは5日、新方式の後席用シートベルトを開発したと発表した。シートベルト自体がエアバッグのようになっており、衝突時に膨らんで乗員への衝撃を緩和する構造だ。フォードによると世界初の機構。
通常のエアバッグは、衝突を感知するとインフレーター(ガス発生装置)に点火し、発生したガスにより瞬時にバッグをふくらませる。新型シートベルトは、コールド圧縮ガスを内蔵。車両の衝突を感知して0.04秒で膨らみ、ベルトによる胸への圧迫を軽減する。
大人だけでなく、チャイルドシートに座った子どもにも使用可能。フォードの社内テストによると、モニターの90%以上が、通常のシートベルトよりもソフトな装着感を好意的に評価したという。
このシートベルトは、2010年にデビュー予定の次期『エクスプローラー』に採用。追って、全世界のフォード車に順次、標準化していく計画だ。
NHTSA(米国運輸省道路交通安全局)の調べによると、米国でのシートベルト装着率は、前席が82%、後席が61%。フォードは新型シートベルトの導入で、後席のベルト着用率向上を目指す考えだ。