GMは3日、ラスベガスで開幕したSEMAショーにおいて、シボレー『コルベットグランスポーツ』の「ヘリテイジパッケージ」を発表した。
GMは2009年4月に、シボレーコルベットに『グランスポーツ』を投入。グランスポーツとは1963年、わずか5台のみが生産された伝説のレーシングカーにちなんだネーミングだ。GMは1963年、2代目コルベット「C2」をベースに、スポーツカー世界選手権に参加する目的で、5台のレーシングカーを製造。これがグランスポーツのルーツである。
その後1996年、グランスポーツは4代目コルベット「C4」の特別仕様車に、その名前が使用された。ブルーのボディカラーに太いストライプというグランスポーツは、限定1000台が好評を博している。
久々に復活したグランスポーツは、従来の「Z51パッケージ」の後継として用意。外観は前後フェンダーを膨らませた専用ワイドボディが迫力満点。前後スポイラーも装着され、フロントフェンダーには、ブレーキ放熱用のエアダクトが追加されている。
パワートレインはコルベットの「LS3」がベースで、6.2リットルV8は最大出力430ps、最大トルク58.6kgmを発生する。オプションで、2モードエグゾーストシステムを設定。最大出力は436ps、最大トルクは59.1kgmへ引き上げられる。GMによると、0-96km/h加速は0.2秒短縮しているという。
トランスミッションは6速MTとパドルシフト付きの6速AT。6速MT車は、ドライサンプオイルシステム、デフの冷却システム、リアマウントのバッテリーを採用。ギアレシオも専用仕様に変更される。
MT、ATともに足回りを強化。コルベットのスポーツグレード、「Z06」と共通仕様のダンパー&スプリング、スタビライザーを採用。ブレーキはフロント355mm&6ピストン、リア340mm&4ピストンが奢られる。前後タイヤサイズは、275/35ZR18と325/30ZR19で、アルミホイールは専用5本スポークデザインとした。
グランスポーツは、すでに2010年モデルとして北米市場へ投入。今回、ヘリテイジパッケージが追加された。コルベットの最強グレード「ZR-1」用のフロントリップスポイラー、リアスポイラー、ロッカーエクステンション、ホイールスパッツを追加装備。これらのパーツは、サテンブラックで塗装される。フロントファンダーのエアインテークはメッシュ化され、赤いデカールも貼り付けられる。
室内はシフトレバーやサイドブレーキレバーに、赤ステッチを追加。グランスポーツのロゴがさまざまな場所にあしらわれた。スポーツペダルも装着される。
ヘリテイジパッケージは、2010年初めから全米の販売店で取り扱い開始。コルベットの伝統を表現したのが、ヘリテイジパッケージといえそうだ。
SEMAとはスペシャル・エクイップメント・マニュファクチャラー・アソシエーションの略で、米国のアフターパーツメーカーの統括組織。毎年11月に開催されるSEMAショーは、日本のオートサロン、ドイツのエッセンショーと並んで、世界3大チューニングカーショーに位置づけられる。